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酸性温泉

日本一 絶景露天風呂 [温泉地レポート 北海道]

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独断で言わせてもらえるなら、
日本一の絶景露天風呂は、北海道の然別湖。しかも厳冬期にしかない。

帯広駅からチェーンを巻いた路線バスで北へ1時間40分。十勝平野が終わり、雪で固く凍結した白樺峠を越えて進むと、木立のあいだに真っ平な白い雪原が見えてくる。

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それが、冬のあいだ厚く凍結する然別湖だ。

火山の噴火で陥没したカルデラ湖とも、噴出物でせき止められた堰止湖ともいわれている。周囲13.8km、最大深度108mの湖は、北海道で最も高い標高810mに位置する。

バスを降りると湖畔に二軒あるホテルのうち、予約した宿に荷物をあずけ、バスタオルを
借りて表へ。

広場を抜けて、氷の階段を注意しながら降りると、数キロも続くまっ平らな雪原になる。にわかには信じ難いが、ここはもう凍結した湖の上だ。

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1月下旬から3月下旬までの厳冬期、ここで「しかりべつ湖コタン」が開催される。凍結した湖上に出現するコタン(アイヌ語で集落の意)には、イグルー(氷の家)や氷でできたアイスバー、アイスシアター、氷のチャペルなどがポツンポツンと建っている。

岸辺から凍った湖上を200mほど歩くと、イグルーの集落から外れた一角に、氷でできたひときわ大きな建物がある。そこが世界で唯一、凍結した湖の上にある氷上露天風呂だ。

通い慣れている共同浴場とは趣がちがう。湖から切り出した氷のブロックを組み上げた建造物は、銀白に輝くドーム型の脱衣所はモダンですらある。よく見ると、氷点下の外気の中へ湯気がゆらゆらと立ち上っている。

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建物に入ると、それぞれ二つの脱衣場と露天風呂がある。両方の脱衣場の入り口を見ておけば、湯客の靴があるので、どちらに先客がいるのかわかる。

二つある風呂は共に混浴だが、水着OK。脱衣場には女性用にカーテンの仕切りが設けられている。もちろん、正しい全裸も可。

裸になったらタオルをもって、冷たい床を我慢しながら慌てて風呂場へ。入口をくぐると、真っ青な空を頭上に仰いでステップの凍った階段を上る。

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湯屋が氷でできた露天風呂は、かけ湯厳禁だ。湯気をたてる茶褐色の湯の中へそのまま身を沈める。丸い湯船は思いのほか広く、その先には白銀の世界が広がっている。

湯は42度から44度ほど。入った瞬間は熱く感じるが、すぐに慣れて、氷点下10度の世界にいることを忘れるほどほっこりとする。

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素晴らしいのが、その眺めだ。眼前には、日本にいるとは思えない雄大な風景が広がってる。

成層圏まで突き抜ける紺碧の空。どこまでも続く白い氷原。くちびる山の愛称でよばれる展望山(1173m)と周囲の峰々。

なかでも氷の雪原が素晴らしい。凍結した湖面は数キロ先まで見渡せて、他では絶対にありえない異郷の景色と向かい合う。それも、風呂に浸かって……。

大雪山国立公園の南縁。「日本の秘境100選」にも選ばれる然別湖。日本一の大絶景露天風呂と、自信をもって薦められるゆえんだ。しかもこれは厳冬期、2か月だけ入浴が許されるまぼろしの風呂でもある。

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ここはまた、天候や時間によってさまざまな表情を楽しめる。真っ青な晴天の空も素晴らしが、低く垂れこめた雪雲が山々にかかるのも幻想的。

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夜10時から朝6時までは安全のためクローズになるが、日没後、暗い夜空を見上げながらの入浴も神秘的。ライトアップされたイグルーがおぼろげに輝き、晴れれば月が雪原を照らし、新月なら星降る夜空を楽しむ。

そしてなによりも体験してほしいのが、日の出だ。

朝、くちびる山の稜線からオレンジ色の朝焼けがのぞく。やがて、太陽が山の頂上付近から顔を出す。その様子を、風呂の中から眺める。ここならではの光景だ。

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日の出を見るなら、前日、湖畔にあるネイチャーセンターで時間を確かめておくといいだろう。

当然早朝は、もっとも気温の落ちる時刻。マイナス22度を下回ったこともある。

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湯温44度、外気温マイナス22度。その差66度。風呂の湯気で髪や産毛が樹氷のように凍り付くのだが、そんな極限の景色も、風呂に浸かってさえいれば最高の気分で味わえる。

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日の出の時刻、湖岸の木々は樹氷が付着し、白い粉を被ったように輝く。日が差すと、樹氷は溶けてしまうので、朝だけしかお目にかかれない。そしてもし運がよければ、ダイヤモンドダストが舞う。

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やや熱めの風呂は10分も浸かると額に汗がにじむほど。長時間浸かると湯あたりを起こすので、湯船のふちに腰かけて、氷点下の外気で冷ます。極北の環境に裸を晒すのだが、それが苦にならないどころか、涼しくて気持ちがいい。

マイナス20度の世界に裸でいる自分自身が信じ難い。

アイスホテルやアイスバーはほかにもあるが、凍結した湖上に源泉かけ流しの湯船があるのは、世界中探してもここだけだ。

氷点下の中で服を脱ぎ、風呂に浸かり、驚嘆の絶景を目の当たりにする。そんなありえない体験が待っている。

ここはひとつ冒険だと思って、然別の氷上露天風呂を訪ねたい。人生観が変わるほどの風呂と景色が、そこにある。

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来訪:2014年、2015年、2016年
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