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酸性温泉

草津温泉 地蔵の湯 [草津温泉]

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観光客でにぎわう草津温泉にあって、そこだけ時間が止まったかのように静まりかえった地蔵広場。ホテルや古い湯治宿に囲まれた一角に、共同浴場地蔵の湯がある。

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草津にある主要六源泉のうち地蔵源泉を引く共同浴場はここ以外になく、宿も周囲の数軒のみ。高温泉の草津の中でも湯の温度が低めで入り易いこともあり、人気の高い浴場だ。

広場には地蔵堂と小さな湯畑、そして足湯がある。ときどき足湯に若者たちの声が響くこともあるけれど、たいがいはひっそりとしている。

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囲いのされた湯畑は、中をのぞくと白い湯の華がたまった池に、透明の湯が沸き出ている。風呂場で嗅ぐとほぼ無臭だが、この湯畑でなら、ほのかに硫化水素(硫黄臭)の香りがする。

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地蔵堂に立つ石造は、表情からするととても古いものらしく、顔立ちは素朴だ。そんなお地蔵さんは、冬になると白い雪の衣をまとってお洒落でもある。

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以前、地蔵の湯は掘っ立て小屋然としていたが、十数年前に新築。男女浴場のほか、湯治専門の風呂場を擁す。湯治は言葉どおり温泉治療のためで、一般客の入浴は不可。ここでは時間湯という草津特有の入浴治療を1日4回実践する。高温の湯を湯もみ板でかきまわし、温度を下げて3分浸かる。このとき湯もみ歌として唄われるのが草津節だ。

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そんな地蔵の湯で、ガラリと戸を開け玄関に入ると他に靴はない。誰もいない風呂に入れると思って靴を脱ぎ、奥の戸を開けるといきなり風呂場になっていて、裸の先客がいるので驚かされる。こんなふうに驚くのは、初めて訪れた客だ。

風呂場は片側が脱衣場兼ロッカーになっていて、靴はそのロッカーの下に置き場がある。防犯のため、湯船の中から靴と持ち物を見守るわけだ。この造りは野沢温泉を参考にしたと言われていて、他にも別府の共同湯に似た様式を見かける。だから脱いだ靴を手に持って風呂場へ入るのが地蔵流。草津の中でもここだけだ。

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風呂場は天井の高い木造の湯屋建築。赤松の床は湯がしみてしっとりと赤黒い。湯船は縁が赤松で、長方形の湯船はタイル張り。そこへ、長いといを通じて湯が注ぎ込まれている。

湯の色は日によって無色透明か、ごくわずかなうす濁り。光線の加減で青味がかって見える。周辺の旅館や地蔵の湯のパイプ掃除があった日は、パイプにたまった湯の華が出て、白く濁ることもある。

ここは草津の共同湯のなかでも温度が低い。ぬるいときは42度を切るが、通常は42度ちょっとから45度ほど。ときたま熱めの時があり、ごくまれに46度を超える。温度調整はできず、地熱や天候で温度が変わる。

もし草津の良さを実感したいのなら、この湯こそふさわしい。湯船に身を沈めると、音を立てて湯があふれる。脚を伸ばして、湯に身を任す。気持ちのいい湯に包まれて、自分の身体の存在を忘れてしまいそうになる。

額にジワリと汗が出たら、湯から上がって床に座りひと休み。窓から吹きこむ柔らかい風のおかげで、徐々に汗が引いていく。身体が冷えはじめたら、また湯船の中へ。それを繰り返すうちに、いつのまにやら癖になる。人にはいい癖と悪い癖があるというが、地蔵の癖はとりわけいいに決まっている。

だから水分補給にペットボトルを持ち込んで、あとはのんびりすごす。2時間ばかりボーっとしていることもある。

春に窓を開けると裏山の緑が目に染みるし、涼しい風が入ってくる。冬は天井近くの湯気抜きの窓から小さなつららが落ちてきて、パキンと割れる音がする。雪の日の湯船は、天井の湯気抜きから雪が舞い降りてくることも。そして時たま、草津節の唄声が聴こえてくる。

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この地蔵広場はその昔、遊郭があったと聞く。今は静まった広場に立つと、時は夢のように過ぎ去ったことがうかがえる。お地蔵さんがいつまでも、そんな広場を見守っている。

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※一般客の体験入浴できる時間湯は、千代の湯にあります



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