So-net無料ブログ作成

酸性温泉

霧島温泉郷 湯之谷山荘 2 [温泉地レポート 九州]

25DSCN8100.JPG


霧島山中の一軒宿。湯之谷山荘にはここならではの入り方がある。湯屋にしつらえた三種類の湯船を、同時に楽しむことができるのだ。

風呂場に入ると、奥に熱い硫黄泉。
手前に狭くてぬるい炭酸泉。
その中間にある浅い湯船の混合泉。

30DSCN8064.JPG


訪ねたとき、その白濁した硫黄泉は、45度から46度弱ほどの、やや熱めの湯。額からは急速に汗が吹き出し、3分も入れば限界になる。

一旦風呂から上がり、今度は炭酸泉に身を沈める。

硫黄混じりの薄白い炭酸泉は、浴槽が狭く一人で満員になる。湯の温度は30度ほどのぬる湯。熱湯で火照った身体を、急速冷却してくれる。

33DSCN8123.JPG


さらに、硫黄泉と炭酸泉の間にある混合泉の湯船がいい。左右の湯船から泉質のちがう湯が流れ込み、温度は41度ほどの適温。湯船は浅く、寝転ぶようにして浸かる。これがまた至福。遠方から、ここだけに入りに来るという常連客もいるほどだ。

以前は硫黄泉と炭酸泉の二湯だったが、数年前、間に湯船を増設し混合泉にしたというアイデア。

35DSCN8109.JPG


もちろん、この三湯。どれも甲乙つけがたい。

そこへ、ちょっとした趣向をくわえるのが炭酸泉にある打たせ湯。天井からパイプが吊り下がる。見れば、湯船の枠にある湯口にコックがついている。そのコックをひねると湯が止まる。待つこと二十秒ほど。頭上から、勢いよく炭酸泉が落下した。

37DSC07989.JPG


湯が盛大に飛び散るので、ほかに客がいるなら打たせ湯をする前にひと言、断りをいれたい。

湯船は太い木材でふち取り、がっしりとした造り。混合泉の左右には浅く掘り込みが設けられ、硫黄泉と炭酸泉が注ぎ込む仕組み。大量に投入される源泉は、混合泉に注がれるだけでは間に合わず、ほうぼうからあふれ出す。

45DSCN8101.JPG


そんな湯船に身を沈めると、盛大にあふれる湯が木の床一面を濡らして赤黒く染める。梁や木肌がむき出しの壁や、溝が斜めに切られ床は、一見すると無骨な造り。秘湯感ただよう木造の風呂場は、味わいが深い。


47DSCN8089.JPG


身体の芯まで温まる熱湯と、それを急速冷却するぬる湯。その両方が混合泉へと注ぎ込む様を、目の当たりにできるのは珍しい。湯面のさざ波を眺めていれば、飽きることがない。

53DSCN8117.JPG


しかも硫黄泉と炭酸泉という個性的な組み合わせ。それを交互に繰り返すうち、血液の循環がよくなり壮快な気分になってくる。これはついつい癖になる。

湯之谷うたた。

「また来たい」。そう渇望せずにはいられない。ここには、温泉好きを虜にしてやまない湯がある。

2016年・梅雨


「転(うたた)」の意味
ある状態がどんどん進行して、はなはだしくなるさま。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさま。──『コトバンク』より

■霧島 湯之谷山荘
鹿児島県霧島市牧園町高千穂4970
TEL 0995-78-2852
https://www.mountaintrad.co.jp/~yunotani


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行